恥ずかしい思い出
楽器を作り始めた頃の話。
国道46号線沿いに「森の駅」というのがあって、以前時々寄り道していた。ある日、表面板になりそうな柾目の杉があったので、買い求めることにした。1000円ほどだったと思う。かなり安いと思ったが、値踏みしてみた。きっぱりと「だめ」と断られた。髭をたくわえた方だった。
その杉で作った楽器ができあがり、たまたまクルマにあった時に、「あの材料でこんなのができました」と立ち寄ったことがあった。その髭の人は「いいものを見せてもらいました」と言った。
その方が「真崎森男」さんだと知ったのは、ずっと後になってからだった。世界職業技能オリンピックで金メダルを獲得した方である。同大会会場で、製作中に出るカンナ屑があまりにも薄くてきれいだったため、審査員が思わず持ち帰ろうとしたというエピソードが残っている方である。現在は自宅に「森工房」を構え、おもに桐のタンスを製作しておられる。
ひとりよがりのものを見せてしまった恥ずかしい思い出だ。











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